Research

研究

スカイラジオメーター

スカイラジオメーターは分光放射計の一種であり,直達光強度および天空輝度分布を測定するリモートセンシング装置です。入江研究室主導のA-SKY国際観測網で採用しているスカイラジオメーターのモデルはPOM-02(株式会社プリード社製)であり,11 波長(315, 340, 380, 400, 500, 675, 870, 940, 1020, 1627, 2200 nm)の干渉フィルターを備えています。315 nmはオゾン観測,940 nmは水蒸気観測,1627と2200 nmは雲観測のチャンネルで,それ以外の7波長はエアロゾル観測のためのチャンネルです。天空輝度分布からエアロゾルの光学特性を逆推定する原理は,太陽直達光の減衰がエアロゾルの光学的厚さに対応しており,天空輝度分布がエアロゾルの吸収・散乱特性(複素屈折率)に強く依存することによります。リトリーバルの核となるアルゴリズムとしてSKYRAD.pack version 5をA-SKYでは採用しています。千葉大学CEReSではImproved Langley法による検定定数の決定などの前処理や事後処理を全て含めてパッケージ化(SR-CEReS-1; Sky Radiometer analysis package from Center for Environmental Remote Sensing version 1)しています。これは,A-SKYと共に我々が中核的な役割を果たしているSKYNEY国際地上リモートセンシング観測網においても採用されており,観測網の全てのサイトについて一貫した方法でリトリーバルを行い,かつ,準リアルタイムでのデータ配信を可能としています。現在、改良版としてSR-CEReS-2の開発を進めています。

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