こんにちは!M1の野本です。 今日は国立環境研究所 (NIES) から寺尾有希夫主任研究員らが来訪され、地上観測機 (G4301, PICARRO) の設置・観測が開始されました。今回は観測に至るまでの様子をまとめていこうと思います。
地球温暖化が進行する中、温室効果ガス ー 特に二酸化炭素 (CO2) を観測する重要性は高まっております。2016年3月末に、国立研究開発法人国立環境研究所らのグループは、世界最大級の都市である東京圏からのCO2排出量をモニタリングするために、東京スカイツリーにおいて、大気中の温室効果ガス(CO2、メタン等)と関連物質(炭素同位体、酸素、一酸化炭素等)の観測を開始しました。詳しい背景や観測内容は、国立環境研究所のホームページに掲載されていますので割愛します。以下にURLを載せておきますので、ぜひご覧ください!
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170727/20170727.html
さて、今回千葉大学で温室効果ガス観測が開始された理由のポイントに「風向き」が関係しています。東京スカイツリー近辺では西風が吹く特徴があります。つまり東京スカイツリーでの観測は「西側からの排出源による影響を受けている濃度変動観測」となります。従って、東京スカイツリーで得られる観測値は、東側からの排出源の影響が考慮されていないのです。
そこで、東京付近における東側からの排出源による濃度変動の影響を調べるためには、首都圏に位置する千葉県での観測が最適です。以上から、今回は千葉大学に設置することになりました。
「観測をする」ということは、ただ得られたデータを見ていれば良いというものではありません。その機材を設置する場所、設置する期間、そして設置した後に連続観測ができるように定期的なメンテナンスなどなど…データを取るために色々考慮しなくてはいけません。(それが観測することの難しさでもあり、奥深さや面白さでもあります!)
設置した時間帯はとても天気が良く太陽光が降り注いで34.0℃にまで達してとても暑かったのでしたが、寺尾さん率いる研究員さんたちは、入江先生と”熱い”議論を交わしながら設置場所の設定、設置作業を着々と進めておりました。
観測データを得るためには多くの時間を要します。観測機を設置するまでに、目的に沿った最適な場所、機関など様々なことを考慮してからようやく設置されます。そして観測が始まってもメンテナンスを怠らずに続けていく必要があります (そして観測は基本的に短時間で結果が得られるものではありません) 。我々が日常的に手軽に得ることのできるデータ (例えば天気予報など) は、こうした手間が掛かる観測作業によって成り立っているのだと改めて理解することができました。見学に協力してくださった研究員の皆さんには感謝を申し上げます。ありがとうございました!